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日本史に残る平成23年を越えて
2012.01.26

 歴史に残るであろう大震災から年が明けた。いつものように道場で御来光を拝し、地元神社にて願った。「今年は、災い転じて福となりますように」と。被災し、不自由な生活を送っている方々が、一人でも多く、早くそう感じることができるように、そして、身近な地元にも迫る危機に備え、微力ながら環境整備に尽力したいものだ。

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 もちろん、その道筋は容易くはないだろう。今後懸念される放射能汚染の拡大、連鎖は複雑化の様相を示しつつあり、その影響は予想を超えて深刻化する可能性も否定できない。さらに、復興特需に群がる魑魅魍魎どもが、利益、利権を奪う機会を虎視眈々と狙っているのも事実。政府がしっかりしないと、復興は我欲に捻じ曲げられ、必ずしも正しい方向へ進むとは限らないのだ。
 
 震災の対応で失態を繰り返した日本の行政。深刻な機能不全に陥っていることを無様にも世界へ曝してしまった。動けば動くほど事態を悪くする菅以下閣僚の無能ぶり、それにもまして腹が立ったのは、官僚の杜撰な管理体制と情報の隠蔽体質。どいつもこいつもだ。
 
 ここ数年、国家の先頭に立てる器を見たことがない。その理由は、大戦に敗戦後、米国に押し付けられたザル憲法に基づく志なき民主主義にあることは間違いないだろう。戦犯国家としての負い目を植えつけ、愛国心を否定。結果として、GHQの思惑通り、国粋思想は薄れ、個人個人で好き勝手に生きることをよしとする退廃的な個人主義が定着してしまった。天皇制日本の再興を恐れ、また人類史上最悪の非道とされる広島、長崎への原爆投下による人体実験を隠すために、日本を独裁政権から開放したと欺瞞に満ちた自画自賛の刷り込み教育は、今大きな問題を生み出しているし、自分の学生生活を振り返ってみても、他国と異なる部分が多々あることが分る。

 それでも、日本人、民間企業は踏ん張った。運にも恵まれ、世界的な好景気の勢いに乗り、工業を中心に奇跡的な復活を遂げたのだから。結果として、世界で1,2を争うGDPを叩き出すまでに日本経済は成長。しかし、今も加速度を増して進化を続ける国際社会とは、国境を越えた満員電車のようなものであり、押し合い圧し合い乗り続けるには体力が必要だが、富によって弛んだ今の日本社会にそのパワーはなく、現状は、やっとしがみついているようなものだ。

 経済主導で急速に発展した日本は、教育によって国家の軸足たる政治が軽視され、国民がバブルに浮かれている間に、インチキな政治家や官僚の我欲に国家資産は食い物にされてしまった。震災で明らかになった稚拙な原子力政策はその際たるものだが、世界一の財政赤字国となったことも、計画的な国家戦略を持たない政治が長く続いた顛末にある。さらに、国際社会での存在感も薄れる一方の日本は、長くアメリカの属国として威光を放ってきたが、日米安保問題が長期化していることもあり、その立場はもはや過去のもの。隣国の経済、軍事力が急拡大する中で、外交力は急降下している現実がある。

 大学時代に同級生だったスイス人の家に遊びに行ったことがある。当時の経験に、最近となってハッとすることがあった。

 親父は、普通のサラリーマンだったが、遠く東洋の島国から来た日本人に親切にしてくれた。だが、何日か過ごし、打ち解けてきたころ、酒の席での四方山話に出てきた話は、スイスには徴兵制度があり、多くのスイス人がそうであるように、自分が、今も予備役として常に国家の有事に備えている一軍人であること。そして、自宅には核シェルター、銃器があると言っていた。ナショナリズムが強いスイスは、歴史的に隣国の脅威に翻弄された経験から、今も外国人に対して距離を置くことが少なくないとも語っていた。(ということは、お邪魔なのかなと…当時思った)

 スイスでは、自宅に核シェルターを作ることは珍しくはないらしい。だが、唯一の被爆国たる日本では、民家に核シェルターはない。当時は冷戦の真っ只中とはいえ、永世中立国家としての認知を得ているスイス。その立場を築く礎は、国民一人一人の自己犠牲を問わない愛国心から成り立っていることが、今になって日本の現状を垣間見るに痛切に感じるのだ。

 かつての日本人は、スイス以上に国家安泰のため自己犠牲を払ってきた。状況は大分違うにしても、愛する家族、国を守るために戦う気持ちには大きな差はないだろう。しかし、今の日本にはそんな根性のあるサラリーマンは皆無、政治家もしかり。この差は、ひとえに教育の差にある。スイスでは歴史、文化、国家の価値を教える時間が大きく割かれていて、安定した生活は強く豊かな国が基盤となることの重要性を子供の頃から意識している。だから、徴兵制度を誇りに思えるのだろう。

 日本にも自衛隊がある。しかし、国家の有事に力を出せない組織と、存在価値に異議を唱える参謀も少なくない。理由は、おかしな日本国憲法により、基本何でもありの国際的軍事ルールでは、戦闘ができないのだ。空手でいえば一人目隠しをして、組み手をするようなもの。要は、装備だけは一著前だが、絶対に勝てるわけのない軍隊ということ。情けないことに、自国の漁船をシーシェパードとかいう、金目当ての偽動物愛護団体からの攻撃すら守ることも出来ないのだ。

 現在、国内問題が最優先課題であることは間違いない。されど、識者の予測も不可能なほど激動する国際情勢に対しても、注意を怠ってはならない状況にあることも認識しなくてはならない。

 隣国である韓国、中国、ロシアと領土問題を抱え、枯渇しつつある資源の争奪戦が見え隠れしているだけに、近い将来、紛争へ発展する可能性も否定できない。また、政治経済、軍事に米中、中東のパワーバランスが激動する中、日米安保の継続のあり方も、抜本的な見直しが必要な時期に来ていることは間違いない。実際のところ、中国に尖閣諸島が侵略されたとしても、米軍基地に攻撃が及ばない限り奪還に向けた軍事介入は期待できない。何故ならば、経済関係では、米国にとって中国は日本以上に重要な国となっているからだ。

 最重要課題は戦後結ばれたままの、時代錯誤な差別的地位協定の破棄だ。莫大な米軍基地の維持予算の削減も今の日本には大きな価値がある。

 目的は、米国と決別するのではない、安保解消の後には、アジアにもNATOのような軍事同盟組織を作り、TPPへの積極的な協調も進めるのだ。結果として、経済、安全保障の交流をより緊密化することもできるはず。
 
 日本は、新しい世界の枠組みの構築へ向けて一歩踏み出さなければならい。要は、自分のことは自分でする、国は自分で守る。寄付や援助をばら撒いて国際社会での立場を築いてきた日本も、いい加減に自立した大人になるべき時が来たということ。それにはまず憲法改正を行い、そして日本国民としての誇りを持てるようにする公民教育を重視することが、その手始めとなろう。

 震災を越えて今、自分は何をすべきなのか、出来るのか。未来へ向けて。大きな変革が必要であることが啓示されたことは間違いない。議論より行動。一歩一歩始めなくては。