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イベント掲示板[連載]粕谷俊二のオフタイム採用情報


Welcome to our factory Miss Julieta
2012.04.17

 実験車両としてジュリエッタQVの導入を決めた。部品開発をスタートするにあたっては、一日でも納車は早い方がいい。そこで、ファーストデリバリーとなる限定車(左ハンドル)を検討したが、C8のイメージカラーでもあるバーガンディでは、エアロパーツを造形していく上で、イメージを膨らませることが難しいかなと…そこで、本国デビュー当時から気に入っていたアイスホワイト(右ハンドル)を注文することにした(見たこともない右ハンドルのMTだったが、日本では利便性が高いはずだった)。

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 だが、あるテスト走行で乗る機会があり、そこで少なからず驚かされた。右ハンドル仕様は、フロアーの形状からフットレストが装着不可能なのだ。ハードな走行下では、ドライバーを支える要となるパーツ。チューニングパーツの開発テスト走行は、様々な走行条件で行う必要があり、とくに俺が考える最高の実験室となるサーキット走行も少なくはない。となるとコーナリング中、体を支えるフットレストは重要な機能部品であり、ハードな試験走行では少なからず障害となることは間違いない。精度の高い部品開発に妥協は無用だ、納車は少々遅れるが、左ハンドル仕様へスイッチすることにした。
 さて、ジュリエッタもエコカー減税の対象になっていることをご存知だろうか。もっとも、1.4Lエンジン搭載モデルだけなのだが・・・

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 財政破綻の危機に喘ぎながらも、復興を最優先させるべき日本。しかしながら政府は再度、エコカー購入の補助金に3000億円もの巨費を投入するという愚策を何故進めるのか、憤りを通り越して慄然とさせられる。民主党得意の選挙対策、税金のばら撒の目的とは、大きな組合組織を束ねる自工連だか経団連へのゴマを摺すりだということは誰もが分る党利党略。恩恵を受けるのはごく一部の企業だ。

 「いらん、いいクルマを造れば売れる、今は税金を補助金へ使う時ではない」こう、太鼓持ち政治屋を一喝するような経営者がいない。貰える物は何でも利用するといった志の低さに、零細企業の経営者にあっても、日本を支えなければと常に悩むハートが荒振る。
 
 補助金の大半は、国産ハイブリッドへ流れるのだろうが、日本国内へ再還流する税金は50%もないだろう。つまり実質的な経済効果はそれほど大きくは無いということだ。なぜなら、構成部品の約半数は輸入されているからだ。もちろん、日本経済のボトルネックとなっているデフレからの脱却は期待出来ない。今の日本に必要な経済振興とは、至って単純明快。それは、経済破綻へと突き進む国家の先行き不安を解消することにある。

 人は、誰しも将来の見通しが明るくなれば、綺麗な花を飾り、美味しいものを食べ、そしてほしい物を買う。そのために一生懸命働き、必要であれば、過酷な国際競争にも積極的に挑むであろう。これは、自然の摂理、経済の基本的な原理原則。政治家は無論のこと、日本の基幹産業のトップなら、経営に国家戦略と協調する目線を持つべきだ。

 次元は異なるが、価値の無い国家予算の使い方としては、一般市民に多数の餓死者を出しがらも、莫大な開発費を要するミサイルを打ち上げる北の政治同様、優先順位すら図れない愚策といえよう。この予算を、遅々と進まない被災地の瓦礫撤去に使えば、どれだけ今を苦しんでいる人を救えることか。税金の使い道とは、本来そうあるべきだと俺は思う。国の未来設計など出来るわけもない。だから、議員の歳費削減も一向に進まない。

 確かに、同一条件における単純な比較計算からすると156GTAは、プリウスより燃費は悪い。一見環境への影響も同様と思われる。しかし、トータルCO2排出量という観点による環境への影響は、そうとは限らない。この根拠は、自動車の生産、使用、そして廃棄までを合算しての試算。現車を維持した場合と新規製造、代替廃車による環境破壊の影響は、日本の一般家庭にある乗用車の平均とされる、年間6500km程度の使用条件では、逆転することも少なくはないということだ。特に大型のニッケル水素バッテリーを使用するハイブリッド車は、製造過程で環境破壊の問題がクローズアップされているレアメタルを大量に使用するだけに、問題は化石燃料の消費に留まらないからだ。

 ハイブリッドのエコ神話は、メーカー利益優先のPRであり、都市伝説に過ぎないとも言えるだろう。故障もなく、綺麗で立派に走るクルマを、補助金で釣って代替を促す。何不自由となく育った若い世代に、日本人の美徳でもある、物を大切にするといった道徳観も、同時に塗り替えてしまうのではないかといった危惧すら覚える。
 
 原発事故の要因しかり、教養の低い政治家と、天下りしか考えていない利己的な役人を山のように抱える日本の典型的な拙策。先に比較に出したが、北のミサイルが発射された時の政府対応には、本当に言葉を失った。

 原発事故の教訓は、ここでも生かされる事はなかった。危機管理の指針として立てた防衛策定はザルで、予想された飛行経路から外れ、空中爆発したミサイルの情報が錯綜、状況把握ができない政府内は混乱、対応機能を一時喪失した。しかし、米国のサテライトは発射を探知し、同時に情報は同盟当事国へ通達されていた。韓国政府はこれを即時公表し国民に注意を促している。同じ状況にあって、日本の防衛大臣が公に発表したのは、発射から40分以上経過しての事。北のミサイル基地から日本領海に到達するまでに要する時間は僅かに4,5分。瞬時の判断が求められていたが…国防とは常にそういうもの、誰もが頭に立てるポジションではない。
 
 ミサイルには生物化学兵器に匹敵する強毒の燃料が大量に搭載されており、進路を逸れ爆発落下する場所が、運悪く居住エリアと重り、燃料が降り注いだ場合、その被害は多くの人命に関わる深刻な問題になっていただろう。当事国ではない米国ですら、このことを懸念していたのだ。 

 遅れた理由を、ダブルチェックが公表に優先と間抜けな官房長官は嘯くが、そもそも策定の発表スケジュールとされる、レーダー捕捉後では遅いのだ。彼らは、閣僚は燃料成分の危険性を認識していなかったのではないだろうか。もはや政府は矯正不能なのだ。言うまでもないが、鰌に首相は無理、閣僚達も大臣の器にないことを自己分析すら出来ないのだから。

 最近、日本で最もポピュラーなハイブリッド車に長く乗る機会があった。ただダラダラと目的地へ動くだけで、その緩慢な動きには、正直運転していてストレスを感じた。もちろん、エコカーに運動性能など期待はしないが、乗り心地も悪いし、安っぽいキャビンは快適性も低く、いいとこなし。通勤の燃費も約15km/lと驚くような数値ではなく、総合的に判断しても280万円の価値を感じなかった。そして思ったことは、これを買うならクルマを持つことをやめて、公共の交通機関利用へ切り替えた方がまし、本当のエコだと確信した。

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 親に夢がない。だから最近の子供達には、燃費に勝るハイブリッド車が圧倒的な人気らしい。だが、燃費は、クルマの価値、性能を推し量る一つの要素に過ぎない。本質に勝るクルマを見抜く英知なく、エコカーが流行っているのだ。ブームとは、病に似て本当にやっかいなものだ。人は、その中にいると妙な安心感があり、満足感も産まれるという。しかし、多くのハイブリッドカーが消え去る日はそう遠くはないだろう。何故ならば、かつて一世を風靡したルーズソックスのレベルに過ぎないからだ。エコカーの真打ち、電気自動車がすぐ後に控えている。バッテリーの性能とインフラが整えば、利便性、環境配慮の両面において、例え二次的であっても、内燃機関で動くクルマは逆立ちしても敵わないのだ。それでも、本物、価値のあるクルマは僅かに生き残るだろうが。