現代社会において自動車は、人間の生活とは切り離せない存在です。ましてやOrqueのように、長年に渡るモータースポーツ活動が事業のバックボーンとなっている企業にとっては、生活そのものといっても過言ではないでしょう。ですが、ここ数年問題となっている地球温暖化の一因に自動車の存在が大きくクローズアップされているのも事実です。もちろんトランスポーターとしての自動車の必要性は、今後も変わらないでしょう。とはいえ、その将来はハイブリッドや燃料電池などの環境へ配慮した新技術が加速することは間違いないはずです。しかし、モータースポーツの未来はそれほど単純ではないかもしれません。近い将来、社会がその存在の必用か否かを決めるだろうし、そのポイントはレースに携わるものの姿勢が問われる事となるでしょう。

レース界は、今変わりつつあります。ルマン24時間耐久レースでは、環境に配慮したディーゼルエンジンを搭載するマシンが連勝、今期よりF1はハイブリッドシステムの採用を決定しています。ヨーロッパのツーリングカーレースにいたっては、この傾向がさらに顕著のようです。しかし、残念ながら日本のレース界は、地球温暖化に対するレギュレーションの変更は模索中です。そこで、私達のレーシングチームは、いち早くCO2の排出量の少ないディーゼルエンジンを搭載するレーシングカーの開発プロジェクトをスタートすることに決めました。開発には莫大な投資が必要となるため、チームオレカの規模ではスピーディな進行は難しいかもしれません、環境を考えるなら活動そのものを辞めてしまえばいいという短絡的な結論もありました。しかし、活動を続けることによって、モータースポーツという小さな枠組みを超え、社会に対して環境破壊を止めるメッセージを発信できればと考えたからなのです。

一説によると、F1レース一戦によって排出されるCO2は、ジャンボジェット機が離陸時(約15分)に排出する量とほぼ同等とのこと。この数字を大きいととるのか、取るに足らないと感じるかは個人の問題かもしれません。しかし、私達は、モータースポーツから大きな恩恵を受けてきたという立場、そしてなによりも愛するレースが、社会から敵対視されるようなことがないようにと切に願っています。これまで、勝敗にのみ拘って戦い勝ち抜いた経験を生かし、次は地球温暖化を防ぐことに力を注ぎたいと思っております。

今後とも応援宜しくお願い申し上げます。

 

 

   
  レーシングドライバー レーシングチーム ファクトリー訪問 サーキット風景