新年を迎えると、いつも初詣をしている地元の神社へ自然と足が向かう。先祖代々の慣習なのだ。そこは、小さな御木本、何時になく賑わう境内へ上がる度に浮かぶ願い。それは、いつも決まっているのだが、そして考えるのだ。今の自分は何をすべきか、出来るのか、一年の目標を定め自分を奮い立たせ、その一歩を、何時もここから歩み始めるようにしている。
とはいえ、若輩者の自分には、明確な答えが簡単に見つかるわけもなく。ここ数年は、正月早々、冷めた空気が満ちて凛とする道場に身を置く自分が居る。一番の寒稽古では、息が切れるまで拳を突き、蹴りを打ち続ける。すると、なぜか不思議と答えが薄っすらと見えてくるのだ。