おっ、また商品デザインのコピーを発見!!360度ターンパイプ仕様によるデザイン。それは、お客様から頂いた問い合わせの電話で…
「粕谷さんのところの159用フロントパイプ、別名で卸販売してるんですね」
もう7年ほどになるだろうか、僕がV6エンジンの等長パイプを設計するに際して、完全等長と純正同等のロードクリアランスの両立に悩み、試行錯誤のうえ辿り着いた答えが360度ターンフロー設計だ。当時、V6エンジンの等長フロントパイプは色々な商品が出回っていたが、自分としては納得いくものがなかった。その時期、GTAのコンプリートモデルとなるGTA-Rを開発していたのだけど、ブランドに恥じないデザインと性能を追求し続けた結果生み出された製品なのです。
開発コンセプトは以下の3点
1 等長といっても実際の長さが完全に揃っていないものが市場に多い…完全等長でなければダメだ
2 純正のフロントパイプに対してパイプ長を伸ばすため、エンジン下へ大きく出っ張り、ロードクリアランスがより大きく損なわれる為、走行中フロントパイプをヒット、破損する問題の解決
3 自分が全日本F3に出場している際、大変お世話になった宮本メカ考案の商品コピーが横行・・・オリジナルデザインへの拘り
今年、ニューアルファのV6ユニット用に新たに開発したフロントパイプもオレカコンセプトを踏襲、完全等長に拘り、単なる曲げパイプでの具体化では無理であることを試作段階で確認、そこで高価な成型パイプをつくり、ようやく納得のいく性能を発揮するフロントパイプの量産化にこぎつけた。どうやらデザインがコピーされているようだ。まあ、実はGTA-Rのために設計したファーストモデルも海外でコピーされているのだが、こちらは製品を輸出した先でのことなのだから、あまりにも分かりすぎて笑ってしまった。
矢印の先に注目です。曲げでは実現不可能な部分に高価なサンドイッチ成形パイプを惜しみなく採用。理由は、パイプ曲げ機で加工した場合、ここまで繊細な曲線を出すことが不可能だからです。廃棄効率を徹底的に追求した結果なのです。ここが模倣品との大きな差。
それに強化クーリングエアロアンダーカバーもアルミ製でアルファロメオ用に設計したのは、僕のアイデアなのだけど。これも、冷却と空力の性能向上と純正以上のロードクリアランスの確保がコンセプト。こちらも今では海外を始め、似たような製品を多く見かける。
かつて、フロントパイプをコピーされていた宮元メカに聞いたことがあります。
「これは文句言ったほうがいいんじゃない?と」
すると宮本メカは
「真似されたくらいで怒ってる暇なんかないよ、だって文句言う時間が無駄だろ、そんなら新しいものを作っている方が楽しいじゃない。真似されるってことは、アイデア、技術力を認めてもらったてことさ。でも俺は人真似なんか絶対しないけどね。同じ形になりそうになったら苦労して作った試作品でも捨てちゃうよ」といって電話越しに笑っていた。
そうなんです コピーには感謝しなければならないのです。とはいえ、弊社製品には隠し打刻を打っておりますのでご安心下さい。
このアップスイップの角度が空気抵抗と高速安定性を保つためにとても重要!!もちろん冷却効率の高さは抜群。
友人の会社が所有する風洞実験室を借りて開発してます。
更なる高性能を追求しました。新しいモデルにはF1でも採用されているステップドボトムを投入!!空気抵抗の低減による風きり音を抑える効果と高速安定性を高めるダウンフォースの発生という相反するテーマの解決策知る人ぞ知る高度なテクニックです。
今年もありがとうございました。来年も、よりいっそう良い製品を開発したいと僕は思います。