8C ロアブレースシステム

　軽量でありながら高い強度を持つカーボンコンポジットによるモノコックは、モータースポーツの世界では２０年以上前から採用されている定番となるシャーシー。また、誰もが知る一部の高級スポーツカーだけが採用していることは言うまでもなく、８Cも究極のスポーツモデルらしく、カーボンモノコックを纏うスペシャリティモデルです。そんなピュアスポーツモデルですが、サスペンションやドライブトレーンはスチール、アルミなどのサブフレームによって連結されていますが、フレームの捻れ剛性をさらに高めることによって、４５０馬力のハイパワーを如何なく発揮することが可能となります。

　我々はテスト走行によって、補強の必要性がある３つのポイントを解析しました。それは、高速走行でハンドリングの精度を向上させること、そして、ＦＲレイアウトによるパワーをよりダイレクトに伝達するため。さらに、ややテールハッピーなリアのトラクション性能を高めることでした。そこで、効果的にサブフレームを補強するためにフロアブレースシステムを開発致しました。サブフレームに対する大きな入力によるフレームの変形を抑え、サスペンションのフリクション低減し、ジオメトリー変化を最小限に抑え込むことによって、タイヤのグリップ力を向上。ハンドルのコンタクトフィール、リニアリティがシャープなものへ向上させます。また、長いプロペラシャフトによって伝達されるパワートレーンの捻れを抑制することによって、レスポンスとトラクションを改善。じゃじゃ馬的な乗り味を洗練されたピュアスポーツへと昇華させる機能部品と言えるでしょう。

　さらに、サスペンションの動きがスムーズになることから、乗り心地がしなやかになることも注目点です。一番分かり安い効果は、フル加速時に発生するリアサスのスムーズな挙動です。ワンランク上の正確なハンドリング、矢のような高速直進性。そして、不快な振動も抑える効果を得るために採用した高価な高張力鋼材も、大幅な剛性アップを可能とした理由の一つです。