粕谷俊二について

1962年1月24日生まれ 東京都出身 ルマン24時間耐久レースで日本人初の優勝を果たす。また、日産ワークスチームでの出場を含め合計6回出場している。世界の3大24時間耐久レースを戦ったキャリアは日本人としては珍しく、もちろんトヨタワークスチーム で活躍した全日本選手権では、数多くの優勝を経験している。

レース、開発テストと非常に走行時間が長い自動車メーカー系のワークスチームに長年在籍した経験から、自動車開発のノウハウを蓄積。論理的な解析に基づくドライビングテクニックは定評がある。テレビ、雑誌において解説。またエッセイ、試乗記なども執筆中。現在、CO2の排出がガソリンエンジンに対して30%少ないターボディーゼルを搭載するマシンの開発に着手。

 ヨーロッパではF1、ルマンを制覇した者だけがグレーテッドドライバーと称されることは、誰もが知ることですが、1989年、日本人として初めてルマン24時間耐久レースで優勝したのが粕谷俊二。

 国内外で様々なレースに参戦していますが、異なるサーキット、マシンへの順応性の高さには評価が高く、その理由はエンジニアリング能力の高さとされています。

 世界を制したレーシングドライバー哲学、技術の集大成といえる弊社製品は、品質、作業に対する信頼の証。愛車のメンテナンス、ドライビングテクニックについて悩みのある方、もしファクトリーで運よく粕谷に会えたら、気軽に質問してみてください。 求めていた答え、面白い話しが聞けることでしょう。

経営者としてのみではなく、一エンジニアとして働きたい

 ドライバーとして、長くレース活動が行えたことは、弊社の技術的な礎となっています。とくに自動車メーカー系のチームで携わったレースマシンの開発作業では、地球を数周したのだろうかと思うほど、尋常ではない距離のテスト走行を繰り返しました。しかし、開発現場で見た世界とは、時間、莫大は費用、そして多くのエンジニア、技術を結集してようやく完成したマシンであっても、必ずしも勝てるとは限らないという厳しい現実でした。そこには、常に高い次元での競争があり、一歩前へ抜き出ることの難しさ、努力、忍耐、そして技術開発の術を学びました。

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お客様に本物のレーシングスピリットに触れていただきたい

 例えば、少しでも格闘技を経験している人であれば分かるかと思いますが、誰でもある程度練習すれば、打撃のスピード、威力はすぐに身につくし、世界選手権を見ながら的外れな評論をすることも出来きるようにもなれます。しかし、トップクラスの戦いに挑戦できる者はわずかです。たとえ才能に恵まれた選手であっても、過酷な練習なしには頂点に立つことは叶うことのない世界がすべての競技にあると私は考えます。仕事も同じです。私達の世界でいえば、スポーツ性能を左右するハンドリングの優劣を評価できたとしても、ライバルを凌駕できるサスペンションの開発は、限られたチームにしかできない仕事なのです。つまり、自動車部品とは、わずかな知識があれば主観的な性能評価はできます。されど、真似のできない優れたハンドリング性能を生み出すこととは、全く別次元の能力が求められるのです。

 レースマシンの開発という貴重な経験によって育まれた感性、判断能力、ドライビングテクニックとは、今では私の掛け替えのない財産であり、仕事に役立つことは多々あります。例えば弊社工場において整備、チューニングのご用命を預かりましたクルマは、完成後には、可能な限り自らステアリングを握り、最終確認と微調整を施しております。理由は、それが私の一番大切な仕事であると考えるからです。経営者としてのみではなく、一エンジニアとして生涯現場主義を貫きたい、これが自分の志すところであります。

粕谷俊二のOff Time / Blog

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